群馬県吾妻郡にあるMAYUDAMAHOUSEには、日本の古き良き風景と生活があった。
私の名前はジン。
妻と一人息子をもつ、ごく普通のサラリーマンだ。
ものすごく裕福な家庭ではないが、幸いな事に今のところはお金に苦労しているわけでもない。
普段の何気ない出来事が、いつの日か振り返った時に『あの時は楽しかったな』と思い返せればそれで良いと思う。
この記事は、そんなごく一般的な家庭が体験した旅の一部を記録したものである。
MAYUDAMAHOUSEに到着
MAYUDAMAHOUSEとは、群馬県吾妻郡にある古民家をリノベーションした体験型の宿泊施設といえる。
コンセプトは『人と自然の共生』らしい。(詳しくはMAYUDAMAHOUSEプロジェクトに携わった方々の記事を参照してほしい)
確かにこのMAYUDAMAHOUSEに一歩足を踏み入れると、そこには都会の景色とは全く異なる世界が広がっていた。

MAYUDAMAHOUSEへ向かう道。この時点でワクワク感が堪らない。

MAYUDAMAHOUSEに到着!!
左の奥へ進めば、車が停められるスペースが十分にある。

今は使われていない蔵。
でもこんなのを見ただけでも、日頃の喧騒を忘れてしまう。

こちらには薪が保管されている。
確認したところ、自由に使って良いようだ。

さあ、この扉の向こうには、忘れかけてしまった古き良き日本の日常が待っている。
MAYUDAMAHOUSEの生活
ここでの生活は、私が普段経験しているものとは全く異なるものであった。
山奥にある古民家・・・とはいってもさすがに現代人に対応済み。
トイレは綺麗なウォシュレット付きだし、お風呂も蛇口をひねればお湯が出る。
ガスコンロはもちろんのこと、冷蔵庫や電子レンジまで完備。
そして何より、現代人には欠かすことのできないWi-Fiもしっかり使える。
一通りの調理用具、皿やグラス類も揃っているので、手ぶらでやってきても何不自由ない生活はできる。

お風呂は大人でも足が伸ばせるサイズなので、ゆったり旅の疲れを癒すことができる。
洗い場の段差だけは謎だった。

トイレはウォシュレット付きでとてもキレイ。

土間を上がってすぐ囲炉裏がある。
有料ではあるが炭も用意されているので、食材だけ近くのスーパーで買い出しすればOK。

洗面台の右側にはタオルが用意されている。
右奥の階段を登れば2階へ行ける。
雰囲気の良い和風居酒屋のような感じで、個人的にはとてもGood!!

こちらはキッチン。
囲炉裏で火おこしが面倒であればガスコンロで料理もできる。
包丁なども用意されています。

冷蔵庫、炊飯器、電子レンジ、トースター、ケトル、そして各種皿など、至れり尽くせりで揃っている。
持ち込みは食材だけで問題ないだろう。

こたつ♪
我が家には存在しないので、息子の憧れの場所である。

昔、おばあちゃんの家にあったような椅子。
今座ってみても、かなり心地良い。
縁側最高!!

こちらの二部屋が主に寝室として使われるのかな。
奥の方には、事前に宿泊人数分の布団セットが準備されている。

エアコンも完備されているので、夏でも快適に過ごせるのではないかな。
壁のシミはご愛嬌。

探検していると、こんな物を発見!!
デジタルデトックス派には心強いアイテムである。

2階は仕切りなしの大部屋。
ここも使い放題である。

憧れのハンモック。
微妙な揺れが心地よい。

プロジェクターセットに巨大なスピーカー。
お気に入りの映画でもいかが?
ちなみに私はライトニング接続でiPhoneからプロジェクターへYoutube動画を出力してみたが、左右の巨大スピーカーからは音が出なかった。
多分だけど、ライトニングをHDMIに変換して接続しているので、映像と音声は一緒にプロジェクターへ出力される。
そしてブルートゥースで接続した巨大スピーカーには、音声が同時出力されない。
そんなところだと推測した。(間違っていたらゴメンナサイ)
ちなみにプロジェクターへは接続せず、左右のスピーカーのみの接続であれば音はきちんと出る。
デカいだけあって、音の迫力は相当なものだった。

こんなのが演奏できたらカッコイイのにな〜。
音楽に疎い私である。

ここでは朝食をいただきました。
金持ちの家か、事件が起きるミステリーのイメージしかない。

土間にある薪ストーブ。
これさえあれば、2階も含めて家全体が暖かくなる。
1〜2時間おきくらいで薪を追加する必要はあるが、これも古民家生活の醍醐味である。
MAYUDAMAHOUSEの感想
まず最初に言っておこう。
以下のような人には、MAYUDAMAHOUSEは不向きかもしれない。
- 電波が非常に悪いので、電話ができないと困る人。
- 虫が苦手な人。
- 狭い道を運転するのが不得意な人。
Wi-Fiは完備されているので、動画やゲーム、LINEやメールをするのは全く問題ない。
ただし室内での通話は、ほぼ無理だった。
ちなみに私はソフトバンクユーザーであり、他のキャリアに関しては未確認である。
またこの大自然で虫を避けるのは不可能だ。
私は3月の下旬にMAYUDAMAHOUSEへ来たが、蜘蛛やカメムシ、蛾などは当たり前にいらっしゃる。
入浴中も気がつけば虫が浮かんでいるので、お掬い(お救い)する必要がある。
そして何よりMAYUDAMAHOUSEまでの山道は、幅が狭くすれ違いできない箇所もある。
”ポツンと一軒家”のイメージが正しいのかもしれない。
そのため運転スキルにもよるが、あまり大きな車で行くことはオススメしない。
しかしながら、これらのマイナス面をポジティブに変換できる人であれば、きっと新しい世界が開けるだろう。
電波が悪く、通話ができない
→電話ができない生活は、忙しい仕事を忘れ、家族や自分自身と向き合う絶好の機会。遠く離れた人ではなく、もっとも身近な人と対話し同じ空間を感じること。つまり人と人の共生。
虫が苦手
→本来であれば虫がいることが自然(当たり前)。しかし都会のコンクリートジャングルには虫がいない、その不自然さに気づける環境に身を置くことは重要。つまり人と自然の共生。
狭い山道を通らなければ辿り着けない
→簡単に行ける場所ではない秘境感。そこでは忙しかった日常を忘れ、自然の中で生きていることを証明する。つまり人と自然の共生。
冒頭に述べたが、このMAYUDAMAHOUSEのコンセプトは『人と自然の共生』だ。
人は常に進化し続け、新しい環境をつくり出している。
しかしそれは人のための新しい環境であり、自然(虫や動物たちも含む)には害悪な場合が多い。
だからこそ時として自然と共生する必要があるのではないか?
進んだ道を一旦原点回帰し、その道は正しかったのかどうか確認し修正するために。
そしてこれは自然に対してだけではなく、対ヒトや対ジブンにも同じことが言えると思う。
毎日の忙しさのなかで、置き去りにしてしまいがちな家族や自分自身。
時として一旦立ち止まり、忙しさを忘れ向き合うことも必要だと感じた。
ヒトとの関係やジブンの思考もまた、気付かぬうちに間違った方向へ進んでいることもあるからだ。
だからこそ同じ空間で対話する。
そして良き対話となるように、日頃の便利さを捨て、自然と共生する。
本来の人間らしさを取り戻すことは、私にとって非常に有益なことであったと思えた。
風呂に浸かっていると、湯から湯気が出ていることに気がついた。
朝は目覚まし時計がなくても、鳥の声で起きられることに気がついた。
薪を燃やせば、電気を使わなくとも暖かい家になることに気がついた。
そんな分かりきっていることでも、普段はなかなか気づくことができない。
でも改めて気がつくと、少しばかりの感動を覚える。
そんな小さな感動が、たくさんある場所。
MAYUDAMAHOUSEは、そんなとても素敵な場所でした。